『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』要約まとめ【メンタリストDaiGo著】

『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』要約まとめ【メンタリストDaiGo著】 人間関係

2020年8月発売のメンタリストDaiGoさん著『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』

本書はマインドフルネスをテーマにした本ですが、それ以外にも心理学の側面から見た「漠然とした悩みや不安を解消する方法」が科学的な根拠とともに紹介されています。

第1章:今日から「無駄に悩まない」人になる
第2章:根拠なき自信をもって前を向く
第3章:思い込みをやめて、自分をリセット
第4章:自分の弱みを生きる力に変えよう
第5章:人生を変えるマインドフルネス瞑想

本書でDaiGoさんが一番言いたいのは「漠然とした悩みや不安をなくすには、まわりではなく自分を変える」ということ。

そのためには自分自身を客観的に見られるようになることがとても大切だとし、ストレスやトラウマに効果的な方法としてマインドフルネス瞑想ヨガを勧めています。

今回はメンタリストDaiGoさん著『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』を要約しました。

第1章要約:今日から「無駄に悩まない人」になる

「特に何か困っているわけでもないのにモヤモヤした不安を感じる」といった漠然とした不安や焦りの原因は“マルチタスク”。

2011年の実験によると、マルチタスクによって脳の短期記憶(ワーキングメモリー)がダメージを受けることで、誘惑に弱くなったり常に刺激を求めるようになることが分かったんです。

具体的にはスマホの使い過ぎ、特にインスタグラムなどSNSのやり過ぎで他人への嫉妬が増幅し、時間を無駄に使ったという罪悪感もプラスされてさらに不安や焦りにつながるという結果に。

それを防ぐには意図的にシングルタスク(1つの作業に集中すること)の時間を作り出すことが大切です。

たとえば本を読む、映画を見る、瞑想をする、散歩をするなど。

30~50分に分けてタイマーを設定しておき、タイマーが鳴るまでは他のことをしないようにします。

こうしたシングルタスクの時間を意図的に作り出すことで、漠然とした不安や焦りがなくなっていきます。

また、シングルタスクを行う上で特に効果的なものが、なぞなぞを解いたりちょっと難しい本を読んだりといった記憶力が必要な行為。

脳にはモチベーションを調整したりネガティブな感情を調整したりする背外側前頭前野という場所があります。

記憶力や脳を使うタスクを行うことで背外側前頭前野が活性化し、いいことが起こったときにモチベーションを上げたり、ネガティブな感情を受けとめて処理する能力を高めることが分かったんです。

ストレスや不安があってもそれを「悪くない」と思えるようになり、自分のモチベーションに変えていくことで怖くなくなっていきます。

第2章要約:根拠なき自信をもって前を向く

挑戦力を高めるには、失敗しないようにするのではなく、失敗してもいいと思えるようになる、失敗を楽しめるメンタルを作ることが重要です。

成功した人はたくさんチャレンジしています。

どれが当たるか分からないので、1つ失敗するたびに凹んでいる暇なんてないんです。

根拠のない自信を持って行動し、その中の1つが当たることで、そこからやがて根拠のある自信が生まれてきます。

アメリカのシアトルパシフィック大学の研究で、自分を変えるためにがんばろうとする「自己目標」ではなく、他人に良い影響を与えるためにがんばる「他己目標の方がメンタルが安定することが分かっています。

ここで簡単にメンタルを強くする意外な方法を2つ紹介します。

①朝、目が覚めたときに「今日は楽しい行動を選ぶように心がけよう」と自分に言い聞かせる

人の目を気にしたり他人に気を遣うあまり、自分にとって楽しい選択肢を選べないことがメンタルの弱い人の特徴です。

意識して行動を変えていくことで性格も変わっていきます。

②何かつらいことがあったときには深呼吸をする

ストレスを感じたときに2~3分ゆっくり深呼吸をするだけで、ストレスが半分くらいになることが研究で分かっています。

人間は息を吸っている間は交感神経が働いて緊張し、息を吐いている間は副交感神経が働いてリラックスします。

緊張しやすい人はまず息を吐いて全部出し切るところから始めると、あとは肺に自然と空気が入ってきます。

短くスッと吸って、ハァ~~ッとゆっくり時間をかけて吐くようにしてください。

逆に、朝起きたときや気合を入れたいときには吸う時間を長くしてください。

第3章要約:思い込みをやめて、自分をリセット

トラウマや嫌な過去は乗り越えるのではなく、利益につなげることが大切です。

「自分が過去に選択したことでいまがあり、いま自分が決断すればいくらでも未来は変えられる」と考えること。

そのためにはバイアス(思い込み)をなくしていくことが重要になります。

ウォータールー大学の実験で、社会のために役立つ行動をしたり他人に親切にしたりする人はバイアスに惑わされにくく、判断能力が高いという結果が出ました。

そういう人は「自分のいまの能力は、これからの人生で出くわす問題を解決するにはまだ十分ではない。だからもっと努力しないといけない」と考えます。

これを「知的謙遜」といい、ソクラテス哲学の「無知の知」のようなものです。

自分の能力の限界、つまり「自分はどこまでできるか」を知ることが大事なんです。

また、人間はもともと不幸不安や不幸を感じやすくできています。

なぜなら、不安を感じて危ないと思うことで次を考えて準備や分析をし、前に進んでいくために必要なシステムだから。

そういう性質があることを理解したうえで、いま自分が感じている目の前の幸せを楽しむことが重要なんです。

「いま」この瞬間に集中し没頭できるようになるためには、過去に起こったことやそのときの感情を、忘れないように記録として残しておくようにしてください。

そうすることで過去を美化してしまうバイアスを防ぐことができます。

【やりがいを感じて幸福度を上げる4つのポイント】
①強みを活かして成長できているか
②自分が感謝できる人、自分に感謝してくれる人と、しっかりつながっているか
③がんばればある程度なんとかなる、と思えるか
④他人と比べずマイペースを保てているか

ただし、完璧主義の考え方はプレッシャーを感じすぎてメンタルを病んでしまいやすいので今すぐ止めましょう。

・ネガティブな感情に振り回されやすくなる
・誠実性が減る
・人生で失敗が増える

などの危険があるからです。

そのためにはハードルをぐんと下げて、自分の生活の10%程度のわずかな変化を積み重ねることで自分を変えていくのがベスト。

大事なのは続けること、そして少しずつ変化を増やしていくことです。

第4章要約:自分の弱みを生きる力に変えよう

「WOOP(目標設定)の法則」で有名なガブリエル・エッティンゲン博士の実験で、自制心がなく衝動的に行動する感情を抑えられない傾向のある人たちに「衝動的な人は創造性(クリエイティビティ)が高い」というデータの存在を教えたところ、実際にクリエイティブを発揮するようになったという結果が出ました。

自分の性格のネガティブな部分の使い道を知ることで、それを強みに変えられるということが分かったんです。

そのためにはあらかじめ失敗を想定して準備しておくことが大切です。

失敗したときにどのようなことが起こるかをよく知っていれば、失敗を恐れることなく挑戦することができるようになるんです。

楽観的な思考で小さな改善を積み重ねていける人は、失敗から学ぶ量が増えて成功したときも自分に甘くなりにくいことが分かっています。

アメリカの調査会社ギャラップが2005年に行った調査によると、ストレスを感じたという人が多い国、ストレス指標が高い国ほど国民の幸福度も満足度もGDPも高いうえ、平均寿命も長いという結果が出ました。

つまり、ストレスや不安を受け入れてプラスの意味に変換できる人ほど、ストレスや不安に対して強くなるんです。

「ストレスを感じることは自分の人生や生活を有意義なものにしてくれる成長促進剤だ」と前向きに考えるように心がけてください。

第5章要約:人生を変えるマインドフルネス瞑想

マインドフルネスとは直訳で「気づき」という意味です。

マインドフルネスによって共感能力が自然に高まり、人のために行動できるようになるだけでなく、自分自身も幸せになり、ストレスから解放されていきます。

マインドフルネス基本のABC

マインドフルネスを身につけるのに大切な3つのポイントを紹介します。

【マインドフルネス基本のABC】
Ⓐアウェアネス(Awareness)…「自分が、いま、何をしているか」に気づくこと
Ⓑビーイング(Being)…価値判断や評価をせずに自分がしている行為を客観的にとらえること
Ⓒクラリティ(Clarity)…物事をあるがままに明確にとらえること

過去への後悔と未来への不安をなくす3つの方法

お坊さんとサイコパスの脳の共通点として、過去への後悔と未来の不安が少ないことがわかりました。

その中でも特に学ぶべき共通点が「いま、ここ」というものです。

どちらの脳も「いま、ここに生きている」という考え方が非常に強いので、過去への後悔や未来への不安で目の前のことに集中できなくなったりしないんです。

とはいえ、あなたがサイコパスやお坊さんになる必要はありません。

そこで、イギリスのオックスフォード大学での研究から、過去への後悔や未来への不安をなくし、目の前のことに集中できるようになる3つの方法を紹介します。

①ポジティブな感情に集中する

余計なことを考える前に行動するクセをつけようという考え方です。

サイコパスがせっかちなのは、自分たちの内に生じたポジティブな感情には賞味期限があることを知っていて、思い立ったらすぐに行動しないと形にならないことを理解しているから。

お坊さんも「不安や恐怖をありのままに受け止めて、目の前の行動につなげましょう」と言っています。

②瞑想をする

過去への後悔や未来への不安を考えないようにしようとすればするほど、そのことにとらわれてしまいます。

「いま」に集中する能力を高めることで、自然とそれ以外のことが気にならなくなっていきます。

そのためには、1日5~10分程度からでいいので瞑想のトレーニングを行うと効果的です。

③感情と行動を分離する

たとえば「お腹が空いた」という感情と「食べる」という行動は別物だと考えることです。

「お腹が空いた」というのは感情であり、「食べる」という行動を決めるのは自分自身。

つまり、トレーニングを行うことで感情と行動は切り離せると考えることができます。

マインドフルネス瞑想のコツ

マインドフルネスを強化するためのマインドフルネス瞑想のやり方とコツを紹介します。


①姿勢を正す

お腹をちょっと突き出すくらいのイメージで姿勢を正します。

すると横隔膜が大きく動くようになるので、脳の前頭葉に多くの酸素がまわって集中力が高まります。

②ゆっくり呼吸をする

1分間に4~6回のペース、つまり1回の呼吸に10秒以上かけてゆっくり呼吸するようにします。

吸う時間を短くし、10秒であれば4秒かけて吸って6秒かけて吐く感じで呼吸するのがコツです。

③注意のコントロール

何か1つのこと、たとえば呼吸に集中してカウントするようにします。

注意がそれて、それをもどすときに脳が鍛えられるので、むしろ注意がそれればそれるほど効果は高くなります。

マインドフルネス瞑想はやればやるほど1回当たりの効果量が増えていくので、1日3分からでもいいので地道にコツコツと毎日続けることが大事。

歩行瞑想のやり方

普通の瞑想はちょっと苦手…という人にオススメなのが歩行瞑想です。

歩行瞑想とは歩くことに全力で集中するというもの。

たとえば右足から出す場合、

①右足が地面から離れる感覚に集中する
②右足が少しずつ前に出る感覚に集中する
③右足が地面に向かって下がる感覚に集中する
④右足がつま先やかかとから地面についていく感覚に集中する

これを左足も同様に行います。

最初はゆっくりで大丈夫なので、「地面から離れる・前に出る・下がる・地面につく」という4つの感覚に集中することが大事。

5分間くらいから始めて20分間くらいできるようになることが理想です。

自分がやりやすいようにアレンジしても構いません。

ストレスやトラウマに効くヨガ

ドイツのデュースブルク・エッセン大学の実験で、ヨガはPTSD(心的外傷後ストレス障害)やトラウマなどのストレスに対してとても効果があることが分かりました。

また、2013年に行われた別の実験でも、ヨガにはうつを和らげることが分かっています。

ヨガのやり方を本で学んでみたい、という方にDaiGoさんがオススメするのが『スタンフォードの自分を変える教室』の著者でも有名な心理学者、ケリー・マクゴニガル著『ケリー・マクゴニガルの痛みを癒すヨーガ』

痛みやストレスの緩和に関してどのようにヨガを使うか、ということまで解説されている本です。

『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』まとめ

DaiGoさんのYouTubeをよく見ているという方にとってはすでに知っている部分もあると思いますし、実際に僕も半分くらいはDaiGoさんの動画ですでに知っていました。

ただ、DaiGoさんの動画はあまり見たことがないという方にとって、これから何百という動画を見るのは正直大変です…(笑)

その点、本書は漠然とした不安にうまく対処する方法のみをピックアップしてまとめられているのでとても読みやすいと感じました。

「過去や未来のことばかり考えてしまい、今やるべきことになかなか集中できない」と悩んでいる人にオススメしたい一冊です。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。


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