【たけしの家庭の医学】いつの間にか骨折を予防!1回30秒で背骨の骨密度を増やす方法

【たけしの家庭の医学】いつの間にか骨折を予防!1回30秒で背骨の骨密度を増やす方法 健康

2019年8月6日(火)放送の『たけしの家庭の医学』。

「『いつの間にか骨折』を未然に防ぐSP」というテーマで放送されました。

教えてくれるのは、『信州大学医学部附属病院 整形外科』講師の中村幸男先生。

世界の医療をリードするハーバード大学で、骨粗鬆症を始めとした骨の病の最先端の研究に参加。
数々の医学賞を受賞している骨折予防・治療のエキスパートです。

放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。

いつの間にか骨折とは

突然ですが、あなたの骨の健康度チェック!

①高い所に手が届かない
②最近転びやすくなった
③以前より背が縮んだ

1つでも思い当たるというあなたに起きているかもしれない、危険な骨の状態とは…『いつの間にか骨折』。

いつの間にか骨折とは、まったく気づかないうちに背骨が折れている状態のこと。

健康な人の場合、背骨は四角い形をしています。

しかし、いつの間にか骨折を起こした人は、四角いはずの背骨がゆがんで上下に潰れているんです。

この異変に気づかずに放置していると…ドミノ骨折が!

まるでドミノ倒しのように、骨折の連鎖が起きてしまうというのです。

こうなると、曲がった背骨によって心臓や肺が圧迫され、心不全など命に関わる発症リスクが増大。

事実、背骨の骨折が1つでもある人は、そうでない人に比べて8.6倍も死亡率が高くなるという報告もあるんです。

『いつの間にか骨折』のリスクは歯茎の下がり具合で分かる

いつの間にか骨折のリスクは、手鏡で最高の笑顔を見ればわかるというのです。

番組の調査に協力してくれたのは、一般的に骨が弱くなると考えられている50代~70代の女性4名。

皆さんカルシウムの摂取や運動など、骨を健康のためにいろいろな努力をされていました。

そして中村先生による調査の結果、2名の方にいつの間にか骨折のリスクがあったんです。

【中村先生の解説】
「最近の研究で早期の骨粗鬆症の方でも、顔の一部を見れば(いつの間にか骨折のリスクを)ある程度判断できることが分かってきました」
「顔の一部、笑顔をされたときの口腔内の一部を見させていただきました」

その顔のある部分とは…歯茎

歯茎が下がってしまい、歯の根元が露出している。

この状態に該当した時点で×となり、いつの間にか骨折のリスクが高いと判定されていたのです。

しかし、なぜ歯茎の下がり具合で背骨の骨折リスクが下がるのでしょうか?

【中村先生の解説】
「最近の研究で、背骨の骨密度が低い方というのは、アゴの骨密度が低い方と相関しているということが分かってきました」
中村先生によると近年の研究で特に50代以上の女性の場合、いつの間にか骨折の要因となる背骨の骨密度の低下が始まると、ほぼ同時期にアゴの骨密度も低くなるということが分かってきたといいます。

アゴの骨密度が低くなると、アゴの骨そのものも小さくなっていきます。

その結果、歯茎が下がり歯の根元が露出してしまうというのです。

番組では骨折のリスクありと判定されたお2人に、CTを使った精密検査を受けてもらいました。

その結果お2人のCT画像に写る青みがかった部分、この青い部分こそが骨密度が低下している場所なんです。

【中村先生の解説】
「今回は骨の折れている方はいらっしゃらなかったんですけれども、実際に骨の内部を詳しく調べてみると、骨の強度が弱く骨の量が非常に少ない状態であると言えます」
「いつの間にか骨折がいつ起きてもおかしくない状態であると考えられます」

背骨とアゴの骨密度の関係とは

背骨とアゴの関係はどうやってわかった?
【中村先生の解説】
「昔から歯の抜けやすい人は背骨が折れやすいということが知られていたんですね」
「その理由はよく分かっていなかったんですけれども、アゴの骨の専門家である松本歯科大学の田口明先生と共同研究を始めてみました」
「その結果、50代以上の閉経後の女性は背骨の骨密度の低下とほぼ同時期に、アゴの骨密度も低下するということが分かってきたんです」
「これによって歯茎が下がるとかやせるといった症状、さらには歯周病にもなりやすいということが分かってきました」
「実際の研究では、歯茎が腫れたり歯ブラシをしたときに出血している、このような歯周病の症状がある方は症状がない方と比べると2倍くらい背骨の骨の量が少ないということが分かってきたんですね」

身長測定で『いつの間にか骨折』チェック

いつの間にか骨折で背骨が折れてしまうと、その影響で身長が縮んでしまいます。

中村先生によると、20代のころの身長と比べて…

・2~3cm縮んだ→要注意
・4cm以上縮んだ→いつの間にか骨折の可能性が高い

とのことでした。

おへそ引っ込め体操のやり方

すでにいつの間にか骨折が起きていたとしても、これ以上新たな骨折を増やさず丈夫な背骨を取り戻す方法!

丈夫な骨を保つために、カルシウムなどの栄養素が欠かせないことは言うまでもありません。

同じくらい大切なのが、運動などによる骨への刺激。

とはいうものの、背骨は太ももの骨などと違って胃や腸といった臓器が周りにあるため、運動による刺激が伝わりにくく骨密度を増やすことが難しい骨とも言われているのです。

しかし、中村先生を始めとする信州大学は、ついにこの難問の解決法を見つけ出したのです。

それこそが…1回30秒で背骨若返り『おへそ引っ込め体操』

【おへそ引っ込め体操のやり方】
1.足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばす
2.おへそを背骨にくっつけるイメージで、お腹をグッと引っ込める
→このときおへそ周りの筋肉を意識することがポイント
3.30秒を1セットとして、1日5セット行う
→ただし一度に5回続ける必要なし、1日の合計が5セットにさえなればいつ何回行ってもOK
※【注意点】息を止めると血圧が上がるため、必ず呼吸をしながら行ってください

おへそを引っ込めるだけですが、見た目以上に腹筋を使うため意外とキツいんです。

おへそ引っ込め体操を1ヶ月間続けた結果

とはいえ、たったこれだけの体操で本当に背骨の若返りが期待できるのでしょうか?

そこで番組では、『おへそ引っ込め体操を1ヶ月間続けるとどのくらい背骨は若返るのか』を検証。

今回検証に協力していただいたのは、先ほどの検査でいつの間にか骨折の危険性ありと判明した小池正子さん(54歳・仮名)。

小池さん、カルシウムを意識してしっかり摂取。

毎日自転車をこぐ運動を続けていたのに、骨が弱っていたのがショックだった小池さん。

【中村先生による解説】
「この方の場合、自転車をたくさん乗られているようですが、自転車そのものではあまり背骨の骨の密度や骨の量は増えないんですね」

中村先生いわく、自転車をこぐ運動だけでは十分な刺激が背骨に届きにくいとのこと。

そのため、しっかりカルシウムを摂っていたのに背骨が弱くなってしまった可能性があるというのです。

検証に先立ち、小池さんには血液中のスクレロスチンという物質の量を測定させていただきました。

スクレロスチンとは骨の作り過ぎを抑える物質で、加齢とともに過剰に分泌される傾向があります。

その結果、誰しも年々骨密度が減ってしまいます。

つまり、増え行くスクレロスチンを減らすことが背骨若返りの第一歩。

さっそくおへそ引っ込め体操を始めた小池さん。

お腹のへこみ具合をしっかり確かめるため、お腹に手を当てて行っていました。

そして検証11日目、自転車に乗る小池さん、以前の姿と比べてみると背筋がピンと伸びているのです。

【中村先生の解説】
「この体操を行うことで姿勢は良くなると思います」
「姿勢が良くなると、背骨への刺激が一定に加わることで背骨の骨の量が増えやすくなる」

おへそ引っ込め体操は姿勢の矯正にも役立ち、それがひいては骨密度アップにもつながると中村先生は言います。

こうしておへそ引っ込め体操を1か月間続けた小池さん。

骨密度を減らす物質、スクレロスチンの血液中の量を測定してみると…

【小池さんのスクレロスチン量(pmol/L)】
検証前…28.5
検証後…25.5

数値は3下がり、見事に背骨の若返り効果が認められたんです。

【中村先生の解説】
「きちんとスクレロスチンの値、減っていますね」
分泌量が減っているということは、骨の量が増えているということが予想できます
「3ヶ月~半年後に骨密度検査をしていただければ、おそらく骨密度増えているんじゃないかなと思います」

おわりに

確かな効果をみせた『おへそ引っ込め体操』、大切なのは毎日続けることです。

ぜひあなたも試してみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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